ミハエル・ブランは生存しているか。

マクロスFRONTIER』第20話でのミハエル・ブランの退場はショッキングだった。退場の様子がミハエルの死を決定的にするような描写だったのがショックさに拍車をかけた感もある。

ミハエルの退場は、登場人物各人には大きな影響を与えている。まず挙げられる影響は、幼馴染のクラン・クランに、バジュラへの強い憎しみを抱かせたことだ。第21話では、怒りにまかせて見えるバジュラを全て殲滅せんばかりの戦いぶりを見せている。これまでのストーリーの中で、バジュラが「戦うべきでない相手」と示唆されているが、これからのストーリーでバジュラと戦わない選択がされた場合、クランのように徹底抗戦主義者がその流れに逆らうのは目に見えている。

ミハエルの退場はスカル小隊の結束に亀裂をもたらした。ランカとルカの対立である。ルカはナナセの負傷に衝撃をうけ、さらにミハエルの死を目の当たりにした結果、バジュラの殲滅を考えているようだ。ルカの立場はもはやレオン・三島およびグレイスへの立場に近く、遠からぬうちにアルトと対立することは目に見えている。

ミハエルは多くの登場人物と関わりを持っていたため、その退場はストーリーに重大な影響を与えている。ただ、幾つかひっかかる点もある。一つには、伏線の未解消だ。ミハエルは幼いころに自殺を遂げた姉の真意を知ろうとしていたが、その伏線は回収されていない。もう一つは、唐突過ぎたことだ。ミハエルほどの重要人物の退場としては、あまりに突然であっけない。ストーリーに巧みなマクロス制作チームであるから、ミハエルの退場を利用して、のちのち劇的な場面を演出しようとしているのでは…と考えられなくもない。劇的な場面とは、例えばミハエルの復帰である。『超時空要塞マクロス』では、失踪したマクシミリアン・ジーナス(マックス)が、のちに復帰する展開があった。マックスのパーソナルカラーは青であり、同じく青をパーソナルカラーにするミハエルが、マックス同様の復活を遂げる事態も考えられる。パーソナルカラーはマクロスFRONTIERにおいても「飾り」では決してなく、『マクロス』同様の効果をある程度発揮しているからだ。

SMSが窮地に陥った時、突如として飛んでくる援護射撃が、ミハエルのものだったーという展開も、全くあり得ないものでないし、また、期待したい。